植物Seedsから創薬Seedsを創造する。
地球上に生息していると言われている約34万種の植物が作り出す新しい化合物を、発芽とサイエンスの力で解明します。
発芽する瞬間に植物の種子が生み出す二次代謝産物を先端的な技術を用いて検出し、生物活性と多様性と特異性に富む、壮大な天然化合物ライブラリーを構築します。
植物種子の生命の営みがもたらす未知の可能性をカタチにし、自然と人間の豊かな共生未来に貢献する、「医・農・食」の人類史的ミッションに挑戦し続けます。
コンセプト
ひと粒の発芽種子に刺激を与え、30,000の新規化合物を誘導。
34万種超の植物種子からは、100億超の化合物の可能性が広がる。
PMTは、発芽の研究に30年以上取り組み、わずかひと粒の発芽種子に起こる生命現象を分子レベルで捉え、一粒の種子に30,000以上の化合物が存在することを明らかにしました(論文1)。
PMTは、植物の種子が営み続ける精緻で壮大な生命現象と、先端技術を用いた革新的アプローチをかけ合わせ、自然と人類が共生するより豊かな「医・農・食」の未来を、進取究明の精神で創造します。
サイエンスストーリー
ファイトアレキシンは、植物がストレスにさらされたときに生体防御機構が働き植物体内で生合成される防御物質(二次代謝産物)の総称です。ファイトアレキシンは強い抗菌性物質で、抗がん作用や抗酸化作用などが認められています。植物が生存と進化の過程で備えてきたファイトアレキシンの機能と精緻な生産メカニズムは、医薬品・農薬の開発のあり方を抜本的に変える大きな可能性を秘めています。
植物の生体防御反応を誘導する物質の総称を「エリシター」と呼びます。エリシターが発芽中の種子の表面に付着すると、それがシグナルとなって種子内でファイトアレキシンの生合成が始まります。PMTは、エリシターとファイトアレキシンの相互関係に自社独自の発芽技術を適用し、植物による二次代謝産物の産生を発芽種子内で制御し工業的に誘導する基盤技術を確立しました。
PMTでは、植物から誘導される多様な二次代謝産物の精密質量分析を行い、分子の構造や機能に関する精密分子情報を解析しています。1つの植物種子の検体から誘導される数十万を超える新規化合物の中には、今までその存在を顧みられることのなかった多様な植物成分が無数に含まれています。PMTは、地球上に存在するあらゆる植物種子の二次代謝産物を分析・解析し、 植物の種子が作る壮大な化合物の存在を、独自技術と革新的アプローチで検出することができれば、医薬品の開発、生理学的な基礎研究、次世代農業など、多岐にわたる分野に大きく貢献できると考えています。
PMTでは、植物が作り出す新規化合物の精密分子情報から、その立体構造をAIを用いて予測する独自の手法を考案し、化学構造推定モデルの開発を進めています。従来の手法では困難であった天然物の複雑な分子構造を迅速に推定することができれば、植物をはじめとする天然資源が作り出す膨大で多様な化合物群の中から活性物質を同定するスクリーニングのあり方が大きく変わります。
PMTは、植物が作り出す膨大な種類の新規化合物とその精密分子情報を集積した、天然由来の化合物ライブラリーを構築しています(“YOKOZUNA_PMT”)。ファイトアレキシンの誘導を進めていくことで、YOKOZUNA_PMTデータベースは世界最大級の天然化合物ライブラリーになると考えます。天然化合物は、優れた薬理学的特性を持つ割合が高いことが示唆されており、また人智を超えた特徴的な化合物が無数に存在します。PMTは、薬らしさ(druglike)の性質を備えた化合物群を集積した新しい化合物空間(New Chemical Space)を提供し、創薬Seedsの可能性を広げる世界規模の挑戦を続けて参ります。
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